東日本大震災で深刻な被害を受けた東京電力福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)で続いている電源復旧作業。政府と東京電力は19日、1、2号機の配電盤兼変圧器に外部からの送電線を引き込んで接続する作業を成功させた。20日には、通電のための作業を行う予定だ。関係筋によると、作業担当者の中には茨城県内の教会に通うクリスチャンの男性がいるとの情報がある。一部クリスチャンの間では、作業の成功とともに、この男性の無事を祈る祈りの輪が広がっている。
「祈りをひとつにしましょう」「どうぞイエス様、この兄弟をあなたの盾で守ってください。そして周りに居る作業員たちが、不思議な神の御手を見ることができますように」。あるクリスチャンから届いたメールには、このような祈りが記されていた。旧約聖書には、預言者ダニエルの3人の友人が、火の燃える炉に投げ込まれて何の害も受けなかったとの記述がある。「彼の上にイエス・キリストの愛と油が留まり、御翼にかくれ、御使いが彼を包囲し、そしてダニエルのように、火の中にいても、燃えないそのような完全な神の守りがありますように」
作業には様々な課題があるが、特に深刻なのは放射線による作業員の被曝(ひばく)だ。被曝を防ぐための特殊な防護服を着て、放射線量の測定器を装着しながらの慣れない作業。限られた時間内に、いかに迅速な作業ができるかがポイントとなる。
3~6号機に関しても、早ければ20日中に建屋と外部電源をつなぐケーブルの敷設作業を終わらせる見通しだ。電源が復旧し、機器が正常に動けば、危機的状況を打開できるだけに、引き続き作業の進展が注目される。