天皇陛下は16日、東日本大震災による福島原子力発電所の被災を受けた懸念が高まっていることについて、「現在、原子力発電所の状況が予断を許さぬものであることを深く案じ、関係者の尽力により事態の更なる悪化が回避されることを切に願っています」と述べられた。
また被災地で救援活動に取り組む人々に対し、「自衛隊、警察、消防、海上保安庁を始めとする国や地方自治体の人々、諸外国から救援のために来日した人々、国内の様々な救援組織に属する人々が、余震の続く危険な状況の中で、日夜救援活動を進めている努力に感謝し、その労を深くねぎらいたく思います」と述べられた。
また日本国民に向け、「被災者のこれからの苦難の日々を、私たち皆が、様々な形で少しでも多く分かち合っていくことが大切であろうと思います。被災した人々が決して希望を捨てることなく、身体を大切に明日からの日々を生き抜いてくれるよう、また、国民一人ひとりが、被災した各地域の上にこれからも長く心を寄せ、被災者と共にそれぞれの地域の復興の道のりを見守り続けていくことを心より願っています」と述べられた。
ビデオメッセージは約5分半におよび、天皇陛下が自然災害の被災者のためにビデオ映像で直接にメッセージを送られたのは今回が初めてとなった。