クラッシュ・ジャパンは15日、先遣隊4チームが東日本大震災救援支援基地選びのため、被災地に派遣され、基地設置場所として福島・南仙台・北仙台・南三陸町・盛岡および八戸が選定されたと発表した。各地区の選定にあたっては、ボランティアワーカーが安全に活動できる場所を慎重に選んで行われたという。
クリスチャンの宣教師・諸教会代表者および支援に興味のあるボランティアから成る各チームは被災地への出発前に、安全、心理面でのアドバイスが受けられるように配慮されている。
現地調査を行った宣教師のフィリップ・フォックスウェル氏は、同氏の生まれ育った仙台の高山地区の現地調査を終えた後、「想像を絶する惨状でした。あらゆるものが破壊されていました。すべての建物、すべての家が破壊されていました。ニュースで伝えられている以上の惨状で、戦地のようであり、あまりの惨状に頭を抱えるだけでした。復興には数年を要するでしょう」と現地の惨状を伝えた。
福島いわき地区と茨城地区調査チームは、既に多くの飲料水が供給されているが、まだ水の需要があるという。
クラッシュ調査チームリーダーのジョーイ・ミラード氏は15日までに既に仙台を2度訪問しており「土曜日に3人のチームで現地に入り、地元住民に必要物資の聞き取り調査ををしました。必要なものは多岐に渡っています。海岸沿いの被災地は、移動する車窓から見る限りではそれほど被害が甚大でないように見えても、人々の負っている傷はあまりにも大きい。全家族を亡くした人はたくさんいます。被災地の惨状には言葉を失っています。あらゆる支援が励ましになります。地元住民と話し、彼らのために祈り、彼らを祝福することによって、逆に支援している私たちが想像以上に祝福されています」と述べた。
クラッシュ・ジャパンは、各被災地へチームを派遣するにあたり、東京都東久留米市の救援支援本部で働けるあらゆるボランティアワーカー(特に広報担当)を求めている。
クラッシュ・ジャパンはクリスチャン救済協力支援と希望の英語の頭文字を取って名付けられており、日本、そして世界のクリスチャンが災害による被害を受けた人たちに対して救済、援助活動を通してサポートするための組織となっている。クリスチャンのボランティアの人々を災害地域における奉仕に就ける様、地元の教会と協力して調和を図っている。
クラッシュは「オペレーションセイフ」と呼ばれる心に傷を受けた子どもたちの仲介に入り、安心感を取り戻せるように働くカリキュラムを提供し、避難所などにいる子どもたちの心の傷の回復を助ける働きもしている。
大震災の被災地の最中にあって、多くのクリスチャン奉仕者らの手によってキリストの愛がふんだんに伝えられ、物質面だけでなく精神面での癒しがなされることが期待されている。
被災地は16日、冬型の気圧配置となり真冬並みの寒さとなった。17日には広範囲で雪が降り大荒れの天気となる見込みで被災者の生活・行方不明者の安否が懸念されている。
警視庁のまとめによると、東日本大震災の死者・行方不明者数は16日、1万1521人に達した。うち3分の2が行方不明者となっている。