【CJC=東京】カトリック教会で信徒に求められる「告解」。ミサに預かる前提とまでされていたものが、徐々に敬遠されるようになった。中には「告解」の意義、方法すらうとい信徒が出るようになった米国で、告解準備用にインジアナ州のリトル・アイアップス社が開発した『告解=ローマ・カトリック教会アプリ』がiPhoneなど携帯電話・スマートフォン用に発売された。販価1・99ドル(約160円)。
開発担当者のパトリック・ライネン氏は、教皇ベネディクト16世が、「新しい技術をよい目的のために活用せよ」と語ったことから、アプリの開発を思いついたという。アプリでは、告解室での手順や、方法の一覧もわかる。
実際の告解と同じように事が進むものの、このアプリはこれまでの告解に取って代わるものではない、というのが開発者の姿勢。むしろ実際に司祭の所に行く前に、告解への理解を深めるのに役立つとしている。
フォートウェーン・サウスベンド教区のケビン・C・ローズ司教の承認を得て発売されたが、教会がこのモバイル用アプリを認めたことに着目した一部のメディアが、iPhoneでも告解が可能になったと報じたことから話題となった。
ただバチカン(ローマ教皇庁)は、フェデリコ・ロンバルディ広報事務所長が、「告解には罪を悔いる本人と聴罪司祭との個人的な対話が不可欠だ」と述べ、告解の代用にはならない、とクギをさしている。
またアプリでは、利用者の良心を、性別、年齢、未既婚などを元に判断する。個人情報保護には配慮されているので、利用者は秘密を公開されることはないとしてはいるが、仮にiPhoneで告解した場合、個人情報が流出する危険が全くない、とも断言出来ない。