「ビル・ウィルソン東京セミナー2011」(同実行委員会主催)が9日と10日の2日間、東京・滝野川会館大ホールで開催された。9日午後2時の集会でビル・ウィルソン氏(62)は、「神の言葉が私たちを変える」と語り、12歳で親に捨てられた悲しみと絶望から立ち上がり、世界最大の教会学校を運営するにいたった経験をもとに、聖書から教えられた信仰の秘訣を語った。
ウィルソン氏は、神に祈りながら全力を尽くしても、自分の願った通りに事が起こらないときに、キリスト者としてどのような心構えをもつべきかを説いた。マルコによる福音書8章で一人の盲人がイエスによって癒やされた箇所から、3つのポイントを挙げた。
イエスが一度目に盲人に触れたとき、盲人の目は完全には癒やされていなかった。ウィルソン氏は、そのとき盲人が「何が見えるか」とのイエスの問い掛けに対し、まだ十分に見えていないことを正直に話した点を強調した。
そのうえで第1に、盲人がまだ完全に見えていなくとも、イエスに気を使って「完全に見えます」と話すこともできたと説き、「場の雰囲気を壊すまいとするうちに大切なものを失ってしまう。(神が働かれなかったからといって)神に気を使ってきれい事を言ってはいけない」と神から恵みをいただくことに妥協しない姿勢を強調した。
第2に、聖書のほかの箇所では、同じ盲人であったバルティマイが一度で癒やされたことを取り上げ、「周りの人と自分自身を比べる必要はありません。他の人のものまねではなく、神は独特な方法であなたを導かれている」とすべてを超えた神の統治を強調した。
ウィルソン氏は、「他の人のことは関係なく、神様があなたにすべきと言われたことをすべき。神様から本当に選ばれた者の道は、簡単であるとは限らない」と語った。また、実際の働きの現場で、祈ったことがその通りにかなえられなかった自身の経験を語り、「神は私の信仰を増し加えるために、そういう経験をすることをゆるされた。神がすべてを動かしておられる」と説いた。
第3に、盲人はもう一度イエスに触れられることではじめて完全な癒やしを与えられたことを強調し、「神の恵みをいただくのにもっとくださいと求めないから、いただくべきものをいただけない。私のためではない。この時代に大きな変化をもたらすためです。あなたは神の前に信仰をもってそれを望みましょう」と良い動機で大胆に神に祝福を求める姿勢を説いた。
最後にウィルソン氏は、「神に求めることに制限をつけてはいけません。平凡な人が必ず神によって特別なことを成すことができます。この国はイエス・キリストの救いを必要としています」と神への献身を呼び掛けた。