ニューヨーク・ブルックリンで世界最大級の教会学校を運営するメトロ・ミニストリーズ代表のビル・ウィルソン氏を迎えてのセミナーが9日と10日の2日間、東京・滝野川会館大ホールで開かれる。8日夜、ウィルソン氏を迎えて東京都内のホテルで開かれた歓迎会には、関係者ら約40人が集まった。ウィルソン氏は、「世界の子どもたちが抱えている必要を見るとき、あなたはそこに何を見ますか」と問い掛けた。
自身も13歳で母親に捨てられた経験をもつ。スラム化し、劣悪な環境の中で育つ子どもたちを救おうと、ブルックリンで30年前に教会学校を始めた。現在では3万人以上の子どもたちがブルックリンの教会学校に通っている。ウィルソン氏が代表を務めるメトロ・ミニストリーズの働きは、南アフリカやフィリピンなど世界50カ国以上に広がっており、4万人以上の子どもたちが具体的な支援を受けている。
歓迎会でウィルソン氏は、死から復活して空になったイエスの墓をマリアとペトロとヨハネが見たヨハネによる福音書20章の箇所で、原文のギリシア語の聖書では「見た」という単語が、3人とも違う単語で書かれていると指摘した。マリアは「ブレポー」で単純に「見た」という意味しかないが、ペトロの「セオレオー」は英語の「セオリー」の語源で、ただ見た以上に「考えた」という意味を含む。ヨハネの「アイドゥン」は、「見て、信じた」という意味だ。ウィルソン氏は、たとえ同じものを見たとしても、人がどのような目でそれを見るかによって、見えるものが違ってくると説いた。
3日間道に捨てられていた13歳のウィルソン氏を救ったのは、たった一人の平凡な男性だった。その男性と同じように、多くの人々がウィルソン氏のそばを通り過ぎた。「他の多くの人が見ることのできなかったものを、たった一人の男性が見抜いてくれた。イエス様の目で私を見てくれた」と強調し、「私たちも子どもたちの人生に変化をもたらすことができる」と訴えた。
今回のセミナーについては、「とにかく『何かしましょう』と伝えるセミナーにしたい」と強調し、「人生の次の段階へチャレンジしていく、決め付けの自分を超える本当の姿、自分の本物の能力に心の目を開きたい」と語った。
セミナーは9日と10日の両日ともに午後2時と午後6時半。計4回開かれる。当日参加も受け付けている。問い合わせは、メトロ・ミニストリーズ・ジャパン(03・3561・0174)。