『どんなことにもくよくよするな!』(イーグレープ出版)の著者、佐々木満男弁護士のコラムを連載します。ラジオ大阪で現在放送中の人気番組「ささきみつおのドント・ウォリー!」(放送時間:毎週日曜日朝9:30〜、インターネットhttp://vip-hour.jp/で24時間無料配信中)でこれまでに放送された内容を振り返ります。「ミスター・ドント・ウォリー」こと佐々木弁護士が、ユニークな視点から人生のさまざまな問題解決のヒントを語ります。今日はその第12回目です。
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「恵みによって生きる」
「恵みによって生きる」ってどんなことだと思いますか。「恵み」って、あなたが何もしないのに、よいことが起こったり、得をしたりすることですね。あなたががんばって働いたり、努力して勉強して得たものは、「報酬」ですね。「報酬」は労働や勉強の対価としてもらうのです。でも、「恵み」は労働もしないのに勉強もしないのに与えられる、一方的な「利得」です。
聖書には、「神を信じると恵みがあなたを追いかけてくる」と書いてあります。すばらしいですね。あなたが恵みを追いかけるのではなく、恵みの方があなたを追いかけてくるんです。
私の知り合いに、会社の支配権争いを巻き起こし、長年勤めた会社を首になった人がいます。ちょうど52才のときです。その後、何度も何度もいろいろな仕事を手がけてみましたが、我が強すぎるため3ヶ月ともたず辞めたり、首になってしまうのです。そんな時、彼は聖書を学んでクリスチャンになりました。
全能の愛の神を信じたんだから、聖書に書いてあるように、「きっと、恵みが追いかけてくるぞ!」と期待しました。しかし、急に性格がよくなったわけでもなく、相変わらず職を転々とし、収入もほとんどありません。家のローンの支払いや子どもたちの学費の支出もままならず、奥さんもお店の店員として働いたり、大変なところを通りました。当然、夫婦仲もよくなかったのですが、いつか彼に愛人ができてしまいました。そして、妻と離婚して愛人と結婚すると言い出したのです。
周囲の人たちは一生懸命止めたのですが、断固として妻と別れると言って、彼は愛人のもとへ行ってしまいました。やむを得ず、奥さんは慰謝料として子どもたちと住んでいる彼名義の土地と家をもらい自分の名義にしました。
ところが彼は、愛人とけんかして半年もたたないうちに、すごすごと元の家に戻ってきたのです。奥さんに許してもらって、今では小さくなって一緒に住まわせてもらっています。そうしたら突然、裁判所から訴状が届きました。読んでみると、彼の友人が倒産したので、サラ金業者に500万円払えという内容です。だいぶ前に、彼は友人の保証人になっていたんですね。寝耳に水でしたが、「保証人の責任として500万円払え!」という判決が言い渡されてしまいました。
ところが彼にはなんの資産もありません。唯一の資産だった土地と家は、慰謝料として奥さんの名義になっています。ですから、サラ金業者は判決の取り立てができないのです。
その後彼はある会社に嘱託として安い給料で勤めることになりました。以前は、3ヶ月と持たなかったのですが、今回は深く反省しているので謙虚になって、なんと2年以上も勤務が続いています。その間に、この会社が株式を証券取引所に上場したんですね。会社が上場した時に、社員全員が株をもらいました。今どうなっていると思いますか、彼の株は、今売ると4千万円近い値段なんです。ほとんどただ同然で、4千万円近い大金が何処からかころがり込んできたのです。すごいですね。その後も、長女が結婚して出産したり、次女も大学を卒業して良い職についたり、確かに神を信じると、恵みの方が彼をどんどん追いかけてきています。自分の罪を悔い改めて神と共に歩んでいると、すばらしいことが次々に起きるんですね。
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佐々木満男(ささき・みつお):国際弁護士。宇宙開発、M&A、特許紛争、独禁法事件などなどさまざまな国際的ビジネスにかかわる法律問題に取り組む。また、顧問会社・顧問団体の役員を兼任する。東京大学法学部卒、モナシュ大学法科大学院卒、法学修士(LL.M)。