映画「ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島」がいよいよ2月25日から全国ロードショー開始となる。本作はシリーズ初の3D映画としてスクリーンに登場する。2月1日から全国のコンビニエンスストアおよびプレイガイドにて前売りチケットも販売開始となった。
この映画の原作「ナルニア国物語」は全7巻からなるファンタジーであり20世紀英国を代表するクリスチャン作家のC・S・ルイス氏によって書かれたものである。神秘の国ナルニアの誕生から滅亡までを綴った2555年にもおよぶ壮大な年代記(クロニクル)となっており、全世界でこれまでに1億部という驚異的な売上を記録してきた。ルイス氏はキリスト教の基礎を専門用語を使わずに表現すべく本作品を書き上げており、物語のいたるところに福音的・聖書的な視点が見い出せる。
昨年10月に南アフリカ・ケープタウンで開催された第3回ローザンヌ会議「ケープタウン2010」では、会議に参加したおよそ800人程度の牧師・宣教奉仕者たちが同映画の試写会に参加した。
世界6億人以上もの福音主義キリスト教徒・関係機関に所属する人々の声を代表する機関として存在している世界福音同盟(WEA)は、ナルニア映画製作会社のウォルデン・メディアや配給会社の20世紀フォックス映画と共に活動し、原作者のC・S・ルイス氏の精神が映画を通してより良く表現できるように尽力している。WEA総主事のジェフ・タニクリフ氏は同映画が世界的規模の教会にとって大きな資源となるとし、「教会が文化とかみ合って発展していく大きなチャンスといえる。最近の映画ではあまり見られなかった素晴らしい福音的な物語だ」と称賛している。
WEAでは、ナルニア映画をきっかけに友人や隣人を教会へ誘い、週末などの時間を利用してナルニア映画を前売りチケットを購入して見に行くことを勧めており、ナルニア映画の内容が宣教の大きな資源となることが期待されている。
ケープタウンで行われた試写会の際、キリスト教の信仰と現代文化の効果的なコミュニケーションを模索している英キリスト教団体ダマリス・トラストのニック・ポーランド氏は、映画は人々がより精神的・道徳的な諸問題を考えることに貢献するとし、「人々は精神的・道徳的問題を模索しに映画を見に行くのではなく、心わくわくさせるような体験をするために映画を見に行く。この映画は精神的・道徳的諸問題を取り上げると同時にエキサイティングなものであり、人々をその映画の世界に取り込ませる魅力をもっている」と述べた。
ニック氏はナルニア国物語映画公開日の最初の週末に前売りチケットで映画館に見に行くことを勧めており、「最初の週末がとても重要だ。プロデューサーたちは時を見越して何を映像の中に見せるか計画を立てている。スクリーンの大きさも時間が経過するにつれて小さな映画館に移行されていく。これらの決断はすべて映画公開最初の1週間の興業業績によって決定されていく」と述べ、ナルニア国物語がなるべく大きなスクリーンで長期間公開され、人々に大きな影響を与えるためにも、公開初日の週に映画を見に行くことを勧めている。
ウォルデン・メディアの映画製作活動に7年間参加し、制作の一部を率いていたキリスト教指導者の一人でもあるボブ・べルツ氏は「ナルニア国物語はライオン、魔女そして洋服ダンスの奏でるマジックを呼び戻す。この映画が教会・信徒たちにとって、まだ教会に足を踏み込むことのない隣人や友人を誘い出す機会となることを楽しみにしている」と述べている。
WEAはナルニア国物語を宣教に活用するためのスタディサイトを設けており、英語・中国語・スペイン語・フランス語・韓国語およびイタリア語の6か国語に宣教に活用するための資料が翻訳されている(http://www.worldevangelicals.org/narnia/)。国内でも各教会による伝道の実践的ツールとして活用され、またクリスチャンにとってもより深い信仰の糧として用いられることが期待されている。