・・・サウルとイスラエル人は集まって、・・・ペリシテ人を迎え撃つため、戦いの備えをした。・・・ペリシテ人の陣営から、ひとりの代表戦士が出て来た。その名はゴリヤテ、・・・イスラエル人の陣に向かって叫んで言った。「・・・ひとりを選んで、おれのところによこせ。・・・おれを打ち殺すなら、おれたちはおまえらの奴隷となる。もし、おれが勝って、そいつを殺せば、おまえらがおれたちの奴隷となり、おれたちに仕えるのだ。」サウルとイスラエルのすべては、このペリシテ人のことばを聞いたとき、意気消沈し、非常に恐れた。(1サムエル17・1〜11)
今日の聖書は、ダビデとペリシテ人ゴリヤテが戦う直前の有名な物語です。敵の大勇士ゴリヤテが出て来て、「誰か、俺様と戦う代表戦士を選んで出せ。代表同士で戦って勝った方の民族が、負けた方の民族を支配し、奴隷とすることにしよう」と挑戦をし、イスラエル人と彼らの神を散々馬鹿にしたのです。その時、そこにいたのは、女子供ではなく、サウル王始め訓練を受けた兵士たちであったにもかかわらず、みな、意気消沈し恐れたのです。
ダビデが将来、王となるため油注がれたように、私たち一人一人も、神による聖霊の油注ぎをいただいている者として、大飛躍する秘訣を見つけたいのです。
私は、世界に出て行って福音を語りますが、世界にはテロの恐怖や様々な問題があります。しかし、世界には確かに勢いがあります。それなのに、どうして日本だけ勢いを失っているのでしょうか。私たちは信仰を働かせ、世の中の悪い空気に巻き込まれず、勝利する者でありたいのです。そのために三つの秘訣を学びたいのです。
1.信仰の熱意を燃え立たせる
身の丈3メートル近い巨人が出て来て、槍と剣を振り回しながら、散々イスラエル人をなぶります。その時、イスラエル軍は、全ての者が恐れ震え上がりました。しかし、たった一人、全く違うメンタリティーを持ち、その状況に向かっていた者がいました。ダビデです。恐らくまだ10代の少年で、兵士でもなく羊飼いでした。しかし、彼は「あの巨人を打ち倒したら、どんなご褒美が待っていますか」と言い、心は内にメラメラと燃え上がっていました。そして、誰も行こうとしないと知った時、自分自身が立ち上がり、王に向かって「恐れないで下さい。私が行って戦います」と言ったのです。一方では、分厚い鎧と剣を持った王と兵士たちがおり、もう一方ではみすぼらしい衣服と杖しか持っていない羊飼いの少年がいる。しかし、心は対照的でした。恐れおののき意気消沈している心と、信仰の情熱が燃え上がっている心、あなたはどちらを選び取りますか。
クリスチャンである私たちに与えられた喜びの一つは、ことの善し悪しにかかわらず、神の聖霊の力により、喜び感謝し、恐れないでいられることです。今、あなたの心に、はっきり命じて下さい。「私は恐れない、不安に閉じ込められない。決して意気消沈することはない」神が共におられるからこその、本物のやる気を持って歩んでいこうではありませんか。世の中は、意気消沈する悪い流れの中で、みんなで落ち込んでいきます。しかし、私たちは、たった一人であろうと、信仰の熱意を燃え立たせましょう。
2.後ずさりせず、一歩踏み出す
私たちは、物事を見る時、評価や批判をし、文句を言います。でも、それでは一歩も前進しませんし、陣営の中に閉じこもっているだけでは、実質的には後ずさりしているだけです。外に向かって一歩もエネルギーが出ないのでは、何も解決しません。ダビデは、「敵がもう戦場に出ているのなら、私も戦場に出て行き、あの巨人と戦いましょう」と言い、自分の世界の中で、ああだこうだと偉そうなことを言うことを選ばなかったのです。
私たちは、恐れて退く者ではなく、神を信じて前に進むべきなのです。それが、信仰の約束であり、恐れおののいて滅びる者ではなく、信仰をもって前に進み出て勝利を得るのです。過ぎ去った過去には、あなたが手にすべき勝利はありません。私たちが手にすべき勝利も祝福も、2011年の新しい日々にあることを知りましょう。そのためには、必ず、一歩踏み出すことです。逃げるようにして、自分の世界に閉じこもっているのではなく、一歩踏み出して恵みを受けましょう。
3.ただひとりでも、勇士となる
イスラエル軍は、敵の前で、みんなで萎縮していました。何の役にも立ちません。
ダビデは、「やる気のある人を何人か集めて下さい」と言ったのではなく、「私が行きます」と言って、イスラエルを救うために立ち上がったのです。たった一人がやる気になれば、ことは変わるのです。あなたの人生の流れを変えるためには、みんなが何かをしてくれればいいのではなく、あなたが一人の代表戦士として、戦うことを覚悟することです。そうすれば、あなたの信仰は全てを変えていきます。私たちは、自分自身が選ばれた神の戦士であることを忘れてはいけないのです。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。