パキスタンの首都イスラマバードの市場で4日、東部パンジャブ州知事で同国の第1党パキスタン人民党の幹部でもあるサルマン・タシール氏が自身の警護官に銃撃され、死亡した。逮捕された警護官は犯行を認め、「タシール氏がイスラム教に対する冒涜罪を批判したためやった」などと話しているという。
タシール氏はこの日、市場にあるショッピングセンターでの昼食後、車に乗り込もうとしたところを警護官に数回にわたり銃撃された。警護官はその場で警察に身柄を拘束された。
タシール氏はイスラム教やムハンマド、聖典コーランを冒涜した者を死刑などの厳罰に処する同国の法律、いわゆる冒涜罪に対して批判的な発言を繰り返し、昨年11月にキリスト教徒の女性が同罪で死刑判決を受けた際には、この女性を擁護するとともに、国に同法の廃止を求めるなどしていた。