【CJC=東京】プロテスタント系では代表的なENI通信(エキュメニカル・ニュース・インターナショナル)が12月21日に現在の形での活動を停止することが15日明らかになった。通信活動を維持するための新編集チームが組織された。
同通信と契約している通信員50人には15日、ピーター・ケニー編集長から「不運にも、財務上の制約から、これまでのようには通信を続けて行けなくなった。ENI通信の運営体は、ジュネーブのエキュメニカル・センターに置いていた現編集部を2010年末で閉鎖することを決めた。望みは、新スタッフによる新活動が2011年に新たな基盤の上に始められることだ」との連絡があった。ケニー編集長だけでなくスティーブン・ブラウン編集主任ら現在働いているスタッフは1月以降、留任しないことも伝えられた。
16日、エキュメニカル・センターでスタッフの「お別れ会」が行なわれた。
ENI通信再建は、設立団体の一つ世界教会協議会(WCC)が5月6日に、2011年度の支出を半分以上削減すると通告したことを受けて進められてきた。
10月、ENI通信常議員会が、再建案作成のための特設委員会を設置した。同委員会は、常勤編集長と編集主任の代わりに非常勤の編集長兼ゼネラル・マネージャーを置くことを提案した。
常議員会では、現任スタッフの処遇で議論が白熱、編集長兼ゼネラル・マネージャーを監督するため無給の発行人を置くという特設委の提案でも紛糾したが、結局、全く新しいスタッフで2011年に活動開始することを決定した。
ENI通信は、エキュメニカル・センターに本拠を置く世界教会協議会、ルーテル世界連盟(LWF)、世界改革教会連盟(WCRC)、欧州教会会議(CEC)によって1994年設立され、約50国の通信社、ラジオ・テレビ、新聞、教会メディアや調査研究所に記事を配信して来た。
世界教会協議会の支出削減が通知された2日後の5月8日、ENI通信は、米国の『教会報道協会』(アソシエーテッド・チャーチ・プレス)から『宗教通信部門優秀賞』を受賞した。また『編集の勇気』部門で、世界教会協議会関係の報道を認められ受賞した。「ウォッチドッグ(監視)という伝統の中の偉大なジャーナリズムとして、編集の勇気が最も良く示された。記者にとってリスクは大きいが、読者は評価する」と審査員のアンドリュー・ハーマン氏(シカゴ・サンタイムズ編集長)はコメントしている。
12月21日付けでENI通信のニュース提供は、新チームが組織されるまで停止される。