財団法人日本聖書協会(東京都中央区)は9日、東京都千代田区の日本基督教団富士見町教会で恒例のクリスマス礼拝を行った。同協会理事長の大宮溥氏は、「イエス・キリストは私より私に近いお方」とインマヌエル(「神は我々と共におられる」の意味)の恵みを説いた。礼拝後には第21回聖書事業功労者表彰式も行われ、ヴァイオリニストのジョン・チャヌ氏に表彰状が贈られた。
大宮氏は、イエスの貧しい生まれを強調し、「このことは、イエス・キリストが上から権力をもって支配される方でなく、世界のもっとも低いところに身を置いて、一人の例外なく下から支え、(人類を)担っておられる方だということを示している」と述べた。
また、「イエス・キリストは、神様の愛と栄光を一人の人間という一点に集中してこの世においでくださった」と述べ、「一人ひとりにも、キリストという焦点が合わせられて、神のいのちが私どもを燃やすのであります」と、キリストの誕生がお互いの救いのためであることを強調した。
大宮氏は、60歳で肺がんを患う苦しみの中で、「キリストが私の内に生きておられる」(ガラテヤ2・20)ことを深く悟ったという。「イエス・キリストは私よりも私に近いお方。キリストが私の内に生きておられると考えるときに、私たちは勇気を得る」と述べた。
聖書事業功労者賞を受賞したジョン・チャヌ氏は、同協会が毎年各地で開催する「聖書と音楽の出会い」に05年からの5年間で計15回出演し、延べ3400人にキリスト者としての信仰を証ししてきた。受賞後のあいさつでチャヌ氏は、救いの喜びを音で表現しようと演奏してきたことを証しし、受賞の喜びを語った。