英国で1日から、キリスト教の推進を目指す全国規模のキャンペーン「ノット・アシェイムド(恥とはしない)」が始まった。英国のキリスト教団体「クリスチャンコンサーン」が主催するもので、英国国教会(聖公会)の前カンタベリー大主教、ジョージ・ケアリー氏らが賛同している。
同キャンペーンは、英国内のクリスチャンが公共の場でも自身の信仰をはっきりと言い表すことを推進するもの。同団体ウェブサイトでは、「イエスが救い主であることは、自宅や教会だけでのことではなく、学校や職場でもそうです。不幸なことに、英国では様々な環境で一人のクリスチャンであることが難しくなりつつあります」と指摘。現代英国におけるキリスト教信仰について、健全な議論を全国規模で展開できるように参加を呼び掛けている。
ケアリー氏は、同キャンペーンの小冊子の中で、法制度から医療保障、教育、文化に至るまで英国社会の様々な面に影響を与えたキリスト教を基礎とした豊かな遺産が、現代英国では「攻撃を受けている」と指摘する。
英国では近年、学校職員や地方自治体職員が祈ったことを理由に退職処分となる事例や、職場で十字架のネックレスなどの着用が禁止される事例が多く取り上げられるようになった。ケアリー氏はこれらの事例は、キリスト教が英国社会から「密かに、少しずつ追い出されている」ことの証拠だと言う。
同団体では、クリスチャンとして持っている希望を「恥とはしない」と宣言する文への署名を集めており、これまでに1万5000人が著名した。また、十字架が描かれたキャンペーンのロゴや文言が入ったバッジ、リストバンド、ステッカー、Tシャツなどを用意。これらを着用することで、「イエスについて、またなぜ我々はイエスを『恥とはしない』のかということについて話す機会を作って欲しい」としている。
同キャンペーンには、ケアリー氏のほか、前ロチェスター大主教のミカエル・ナジルアリ氏、バルナバ財団のパトリック・スックデオ代表、ピーターバラ大主教のドナルド・アリスター氏らが賛同している。