全国97の学校法人が加盟するキリスト教学校教育同盟は23日、結成100周年を記念し、式典とシンポジウムを東京・池袋の立教大学タッカーホールで開いた。前青山学院院長でクラーク学園理事長の深町正信氏はシンポジウムで、キリスト教学校の将来に向けての課題として「(キリスト教学校の)本質的な特色は何かをはっきりさせなければならない」とし、「キリスト教学校は、係る者が信じる信じないは別として、生きる神に対する畏敬をもって学問にあたる教育共同体とならなければならない」と語った。
午後1時40分からのシンポジウムでは、「キリスト教学校教育同盟の回顧と展望」を主題に掲げ、深町氏のほか、前関西学院理事長の山内一郎氏、明治学院学院長の久世了氏がパネリストとして参加した。
深町氏は、「人間の生きる目的は、生きて働きたもう神を礼拝して、その栄光のために生きること」「(礼拝を重んじる教育環境から)地の塩、世の光としての人間が育てられていく」と語り、キリスト教学校以外では成し得ない、聖書の福音に根ざしたキリスト教教育の重要性を強調した。
また、教会とキリスト教学校が緊密に連携する必要性を指摘し、教会に対してキリスト教学校への積極的な協力を訴えた。
山内氏は、2004年から公開講演会を合同で開くなど日本カトリック学校連合会との協力関係が発展していることについて「希望の持てるもの」と評価した。また、教会との関係については、日本キリスト教協議会(NCC)と同盟との協力関係の推進に言及し、「前向きに受け止めてもいい」との見解を示した。
久世氏は、キリスト教学校の将来に向けての課題として、キリスト者とそうでない構成員との間の一致を挙げ、構成員全員の心をひとつにする取り組みの必要性を指摘した。
午前10時半からの式典には、来賓として全私学連合代表で早稲田大学前総長の白井克彦氏、韓国基督教学校聯盟理事長の白永哲氏、日本カトリック学校連合会理事長の河合恒男氏、日本キリスト教協議会副議長のジョージ・W・ギッシュ氏らが出席した。100周年記念賞の表彰式も行われ、記念ロゴマークで最優秀賞を受賞した活水女子大学の中村友美さん、優秀賞を受賞した遺愛女子高等学校の古川佳苗さんのほか、作文・エッセイコンテストの小学生の部から一般の部までの計5部門で最優秀賞、優秀賞を受賞した14人に表彰状と記念品が授与された。
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