【CJC=東京】聖書にもたびたび登場する都市エリコは、ヨルダン川河口付近にあり、海面下250メートルと、世界で最も低い町として知られるが、1万年の歴史を持っている。そこにサラム・ファイヤド首相が「エリコ1万年祝典」を打ち出した。住民は特別に祝うほどのことはない、と冷淡だが、パレスチナ自治区政府は、観光名所として再開発することにした。リゾート、空港、1000エーカー(約16平方キロ)ものヤシ林などを造成すると言う。ただ総額5億ドル(約480億円)もの費用は民間頼みだ。
ファイヤド首相は「エリコ1万年祝典」を、パレスチナ国家の完成を目指した国家プロジェクトの一環、と意気込んでいる。パレスチナ観光省は「古代史、文化、宗教的遺産と地理学上の独自性」を打ち出して、エリコをベツレヘムに次ぐ観光地になる、と期待している。