1890年に来日し、松江バンドと呼ばれる日本の純福音派の源流を生み出したバークレー・フォーエル・バックストン(Barclay Fowell Buxton、1860〜1946)の生誕150年と来日120年を記念した聖会が11月19日午後2時から、東京都渋谷区の日本基督教団渋谷教会で開かれる。
主催のバックストン聖会委員会は、約半世紀にわたり、バックストンを記念する聖会を毎年開いてきた。「この奥義はあなたがたのうちにいますキリストである」(コロサイ1・27)を主題聖句に、今年は、日本イエス・キリスト教団香登教会牧師の工藤弘雄氏、日本ホーリネス教団坂戸キリスト教会牧師で太平洋放送協会理事長の村上宣道氏、日本基督教団東京新生教会牧師の横山義孝氏、日本イエス・キリスト教団東京若枝教会牧師の飯塚俊雄氏が講演する。
バックストンはイギリスの貴族の家に生まれ、ケンブリッジ大学を卒業後、1885年に英国国教会の司祭となった。1890年に英国国教会海外宣教局(CMS)の宣教師として自費で来日し、翌年、島根県松江の赤山に自宅と集会場を自費で建設した。当時の松江には靴を履く人がほとんどおらず、バックストンは靴を脱ぎ捨て、わらじを履いて福音を述べ伝えたと記録されている。
バックストンは松江市に滞在中、後に日本の純福音運動の指導者となる笹尾鉄三郎、三谷種吉、竹田俊造、堀内文一らを訓練した。日本ホーリネス教会の創始者の一人、中田重治もバックストンのもとで過ごし、大きな影響を受けた。
宣教師嫌いだった内村鑑三も、バックストンについて、「彼は人類の華だ。誇りだ。彼のような人を見ては、英人も米人もない、人類別が忘れられる。彼が人であることをもって、われわれの栄光とする」と賞賛している。
バックストンは他にも、聖書学舎(現在の関西聖書神学校)創設者の澤村五郎や、福音伝道教団を指導した舟喜麟一、東京基督教短期大学(現在の東京基督教大学)創設者の一人、野畑新兵衛、日本同盟基督教団創始者の鋤柄熊太郎などを指導した。
聖会は19日から21日まで3日間の日程で行われ、それぞれ午後2時と午後6時半の2回集会が開かれる。