【南アフリカ・ケープタウン】ケープタウン2010=第3回ローザンヌ世界宣教会議=は19日夜、全体集会で北アフリカからの牧師、イマド・ダバウア氏らをスピーカーに迎えた。
リビア、チュニジアなどほとんどの北アフリカ諸国はイスラム教国で、過去8世紀の間キリスト教会が存在しなかった。ダバウア氏は「迫害は脅威的だ。教会は、福音による救いと喜びを教えると同時に、迫害に耐えることも信仰の基本として教えなければならない」と語った。
定刻祈祷や断食(ラマダン)など宗教儀式が日常のいたるところに存在するイスラム教社会では、キリスト教信仰は誰の目にも明らかになる。ダバウア氏によると、このような厳しい環境の中で信仰を守るクリスチャンは北アフリカで数万人存在するという。
そのほとんどは元イスラム教徒。クリスチャンになることは家族や友人との絶交を意味する。ダバウア氏は「クリスチャンになるというのは重大な決断」と語った。
レバノンで児童伝道に従事するラジャエル・アチ氏は続く講演で、同国を始めとする中東地域の子どもたちが常に暴力と恐怖にさらされていると述べ、将来に対する絶望感が子どもたちの世代にまで及んでいると明かした。
社会情勢の回復が遅れ、たくさんの人々がレバノンを後にする一方で、国内の残留者からイエス・キリストの信仰に導かれる人たちが大勢起こされているという。アチ氏は「人々が希望を求めているいま、クリスチャンはこの機会を逃してはいけない」「もし子どもたちに福音が届けられなければ、他の教えが彼らを捉えてしまうのは時間の問題だ」と語った。
【ケープタウン2010】 第3回ローザンヌ世界宣教会議。今月17日から南アフリカのケープタウン市内にあるケープタウン国際会議場で24日まで開催されている。198カ国の代表ら4000人に加え、ネット通信やウェブサイトを通じて全世界20万人規模のクリスチャンが会議に参加する。会議では、多元主義世界でのキリストの独自性、キリスト教以外の信仰者に対する宣教、キリスト教会の完全性、HIVエイズ、同性愛、貧困、難民など世界の福音化に関するさまざまな課題について議論する。