今週イタリアとギリシャを歴訪中のプーチン大統領が13日、バチカンを訪問し、ローマ教皇ベネディクト16世と初めて会談した。
会談で、大統領はロシア正教会総主教のアレクシー2世からの挨拶を伝え、教皇も総主教へのメッセージを託した。カトリックとロシア正教の関係修復に向けた前進として注目される。プーチン大統領は、前法王のヨハネ・パウロ2世とは2度会談をしており、今回の会談はそれから約3年ぶりの会談となる。
バチカンの報道によれば、会談は約25分間行われ、中東問題や過激主義などの国際情勢についての意見交換が行われた。また、会談ではドイツ語を使うことがロシア側から提案され、ドイツ出身の法王と過去に旧東ドイツに駐在していた経験がある大統領は、ドイツ語で温かく前向きな雰囲気で会談を行った。
カトリック側からは、今回の会談に対して「カトリックとロシア正教の対話が進展した」という会談を評価する声や、両宗派の指導者による初会談が第三国で行われる可能性もあるなどという見方が出ている。
カトリックとロシア正教は、ロシア国内のカトリック側の布教活動や資産をめぐる対立などがあり、ゴルバチョフ元大統領やエリツィン前大統領は前教皇ヨハネ・パウロ2世をロシアに招待していたものの、ロシア正教会側の反対により訪問が実現されなかったことなどがある。