【南アフリカ・ケープタウン】ケープタウン2010−第3回ローザンヌ世界宣教会議−が17日、南アフリカのケープタウン市内で開幕した。
同会議議長のダグラス・バーザル氏は「この日を迎えられたことに、こころから感謝したい」「まさに夢の実現だ」とあいさつ。過去2度の世界宣教会議の成功に触れ、ジョン・スタット氏、ビリー・グラハム氏ら優れた指導者の登場を神に感謝した。
バーザル氏は「わたしたちがきょう集まったのは過去の栄光を懐かしむためではありません。この時代に神が新しいことを成してくださるよう求めるために来たのです」と述べ、ときが経つにつれて諸教会が焦点を失い、再び一致の機会を必要としている、と今回の開催に至った背景を明かした。
世界キリスト教協議会(WCC)総幹事のオラフ・フィクセ・トゥヴェイト氏(ノルウェー・ルーテル教会)は、クリスチャンの唯一の使命は神と世界との和解の印として地上に遣わされたキリストを世界中に知らせることだと述べた。その上で、「したがって、わたしたちがまず互いに和解し合い、一致することを求められています。それは、キリストを通して神が世界に和解の手を差し伸べていることを、世界が知るためです」と語った。
ケープタウン2010で交わされる議論は、「ローザンヌ運動」という旗印の下に福音主義の指導者が数十年にわたって積み重ねてきた対話を更新するものだ。
初のローザンヌ世界宣教会議は1974年、スイスのローザンヌでビリー・グラハム氏の呼びかけで実現し、現代キリスト教史で最も重要な文書のひとつであるジョン・スタット氏起草のローザンヌ誓約(Lausanne Covenant)という果実を実らせた。
このローザンヌ会議で生まれた福音伝道の脈動から、「全教会が全福音を全世界に届ける」という使命を共有する福音主義クリスチャンの世界的な交流とネットワークである「ローザンヌ運動」が誕生した。
1989年、福音主義者はマニラで2回目のローザンヌを開催して、300以上の宣教提携と理念を生み出した。
ケープタウン2010=第3回ローザンヌ世界宣教会議=では、クリスチャンの中から新鮮な福音伝道の推進力が誕生することに期待がかかる。今回の参加者は1週間を費やして、多元主義世界でのキリストの独自性、キリスト教以外の信仰者に対する宣教、キリスト教会の完全性など、世界の福音化に関するさまざまな課題について議論する。最終日の24日には、現在のキリスト教会が担う使命と本質に関する声明を発表する。
ケープタウン2010の事務局長、ブレア・カールソン氏は「この宣教会議でわたしたちが一致団結して行動を起こしていこうとする使命はただひとつ、福音伝道です」と話した。
ケープタウン2010はインターネット技術を駆使して行われる、ローザンヌ会議初の試みで、全世界20万人規模のクリスチャンがネット通信やウェブサイトを通じて参加する見込み。
世界中の福音主義者を動員する目的で、会議は97カ国600箇所の拠点「グローバル・リンク」会場で同時中継される。