伝道では、1人あたりの面会回数が重要だ。チラシのポスティングやトラクト配布も、主たる目的は面会回数の確保にある。たくさんの人に1度でもチラシを見てもらおうと、ローラー作戦で広域に手を広げようとすると失敗する。地域を限定して伝道を局地化することが大切だ。
まず教会から徒歩5分圏内の住宅地を最優先で訪問伝道する。1〜2カ月に一度、一定のペースで毎回欠かさず、あいさつに伺う。バザーの献品回収、無料の受験生向け勉強会の案内でも良い。顔と教会を覚えてもらうだけでも十分だ。住民の雰囲気が変わり始めたのを感じたら、徒歩10分圏内に活動を広げる。ただし、必ず従来の5分圏内の訪問頻度は維持しなければならない。
「日曜日は忙しい」といわれても、「町内のごあいさつ」と受け流して何度も通う。足繁く通いながら、育児や夫婦の話しなどもするようになる。住民の関心に敏感になれる。
信徒の地域分布を見ると、同心円にならないことに気づく。皆さんの教会の信徒も幹線道路や鉄道、河川などの影響で分布が偏っていないだろうか。分布が途中でぷっつり途切れているところもある。こういうところには何らかの障壁が存在しているので、それを取り除くことができれば発展が期待できる。
某保険会社は、訪問する人や担当者を毎回変えながら数カ月ごとに筆者の自宅を訪れる。だが、キリスト教会の訪問は過去に一度も記憶にない。母教会は年1、2度だが訪問伝道をしていた。当時の訪問をきっかけに何人かが教会に通い始め、そこから2人が信仰に導かれ、いまでも教会に通っている。神は、霊魂を救いへと導くために訪問伝道を用いてくださるのだ。