アフリカ東部・ウガンダの孤児たちの聖歌隊「ワトト・チルドレンズ・クワイア」の来日コンサートが17日、東京都新宿区の淀橋教会で開かれた。1200枚のチケットは完売となり、会場はほぼ満席となった。
「希望が消えそうになっても/朝日が昇るように/あなた(神様)の憐れみは私を引き上げ/抱き寄せてくださる/私はひとりじゃない」
内戦やエイズで親を失う悲しみを乗り越えた孤児たちの元気な歌声が、集まった聴衆に希望を届けた。
孤児たちは、カナダ人宣教師ゲアリー・スキナー牧師夫妻が現地で設立した団体「ワトト・チャイルドケア・ミニストリー」(以下、ワトト)の支援を受け、学校や病院などの公共施設の整った「ワトト村」と呼ばれる場所で生活している。現在、ウガンダ国内にある3つの「ワトト村」では、赤ちゃんを含めて約2200人の子どもたちが養われている。その中からオーディションで厳選された6歳から15歳の男女20人が、4カ月半にわたるアジアツアーの一環として来日した。
「私はエイズ孤児です。貧困と戦争が私たちに残したものは、苦しみだけでした」
舞台のスクリーンに映し出された一人の少年がおもむろに語り出した。ウガンダでは、エイズや内戦による孤児が約200万人いると言われている。ワトトの子どもたちもそのうちの一人だ。しかし、セイヴィアちゃん(11)は、満面の笑みで語る。
「イエス様が私を愛してくださっていることを感謝します」
子どもたちが元気いっぱいの声で「ここにいるのは、将来の『医者』、『教師』、『弁護士』、『ファッションデザイナー』、『牧師』、『警察官』です」と順番に発表していくと、会場は大きな拍手に包まれた。