25カ国以上に協力団体を持つ英国のキリスト教慈善事業団体のWER(World Emergency Relief)は、情勢が依然として不安定な中、故郷へ戻ろうとするウガンダ北部の国内難民のために、新たな援助物資の輸送を行った。
ウガンダ政府と反政府武装勢力LRA(Lord's Resistance Army)との間で結ばれた休戦期間が先週終わり、新たな戦闘が起こりうる可能性に備えての非常事態計画を現地の支援組織が発動したのに合わせて、今回の援助物資の輸送が始まった。
教育のための様々な設備や病院用ベッド、医療用品などを含む人道的援助や開発支援のための援助物資20トンが、地域紛争により被害を受けている人々への継続的な援助の一環として、ウガンダ北部に送られた。
援助は、スコットランドの慈善団体の協力もとWERが輸送し、ウガンダにあるWERの協力団体であるANCC(All Nations Christian Care)を通して支給される。援助物資には、石鹸や衣類、家具など故郷での生活の再建のために必要となるものも含まれている。
WERは01年からANCCとの協力で、LRAによって追いやられた数万人もの人々への支援を行ってきた。過去6年でWERからANCCへ輸送された援助物資は600トンを越える。
また、WERとANCCはウガンダ北部やスーダン南部の農村のために飲み水を確保する活動に協力しており、これまでに難民キャンプや農村で約50の井戸を掘ってきた。スーダン南部のより遠方の農村では数千人が水を飲むことも困難な状況にあり、来月新たな掘削機がウガンダへ送られる予定である。
LRAは、ジョセフ・コニーが率いるウガンダの反政府武装勢力で、主にウガンダの北部地域で活動している。LRAによる子どもへの被害は特に深刻で、子どもを拉致し強制的に少年兵し、性的搾取を行うなど、国際的な非難を浴びている。80年台後半からの内戦でLRAによって拉致された子どもは2万人以上にのぼり、LRA戦闘員の8割以上は11歳から15歳の拉致された子どもたちであるとされている。03年にウガンダのムセヴェニ大統領が国際刑事裁判所の検察官に事態を付託し捜査を依頼、04年6月から公式の捜査が始まっている。