【CJC=東京】教皇ベネディクト16世は9月16日から19日まで英国を訪問する。教皇の英国訪問は、1982年にヨハネ・パウロ2世が「司牧訪問」しているが、「国賓」としては今回が初めて。
訪問のテーマとして掲げられた「心は心に語りかける」は、ジョン・ヘンリー・ニューマン枢機卿のモットー。教皇は英国滞在の最終日、同枢機卿の列福式を行う。
訪問初日16日、教皇はエジンバラに到着。ホリールードハウス宮殿で歓迎式の際、エリザベス2世女王と会見する。
17日、教皇はロンドンのセント・メアリーズ大学でカトリック系教育関係者や諸宗教代表者と会談。英国国教会カンタベリー大主教をランベス宮殿に表敬訪問や、英国国教会ウエストミンスター・アベイでのエキュメニカルな祈りの集いに参加する。
18日、教皇は英国首相、副首相、野党代表者らと会見、カトリックのウエストミンスター大聖堂でミサを行う。ハイドパークでニューマン枢機卿列福式の前夜の祈り。
19日、バーミンガムのコフトン・パークで教皇はミサを行い、その中でニューマン枢機卿の列福式を行う。
日程の中で性的虐待の被害者と教皇は会うか。これまでの各国訪問では会っている。またオーディション番組から一躍世界的スターになった女性歌手スーザン・ボイル(49)が教皇の面前で歌うことにも関心が集まっている。
教皇の国賓としての訪英で1200万英ポンド(約15・6億円)を英政府が負担すると見られていたところから、公金支出への疑問が出されていた。
公共神学シンクタンク『テオス』が2005人を対象に行った調査では、79%が訪英に「関心がない」と回答、また77%が、訪英費用を納税者が負担する必要はない、と回答している。
ウエストミンスター教区のビンセント・ニコルズ大司教は公営BBC放送で、「教皇はこの惑星(地球)の全人類の5人に1人の霊的指導者として来るので、非重要人物ではない」として、納税者が教皇訪英費用を負担するのは正しい、と語った。
大司教は、「公式訪問であり、この国が扉を閉ざし、公式訪問に対応出来ないということになると、それは孤立主義の意思表示であり、その日は、非常に悲しい日となる」と語った。