【CJC=東京】米国文化の背景をなして来た「制度としての教会」、特に「主流プロテスタント」教会の将来はどうなるのか。コネチカット州ニューヘブンにあるイェール大学神学校が発行する雑誌『リフレクションズ』2009年秋号は、『基盤は固いか?未来に直面する教会』という主題に編集されたが、学者、聖職、信徒が多彩な展望を展開しているだけに、熱心な議論と関心を呼び起こしている、とENI通信が報じた。
『100年の推移=プロテスタント特権から文化的多元性へ』を執筆した同神学校のジョン・リンドナー渉外部長は、いわゆる主流教会の会員数減少に関するメディアの評価は、重要なポイントを見逃している、と言う。
同氏は、「“エキュメニカル”な一致というメッセージを推進することで主流プロテスタント教会の成功は、多元性と包括という新時代をもたらし、さらに教派への忠誠度合いの低下の引き金にまでなった」のだ、と主張する。
それは制度的プロテスタント教会にとっては調整を意味しているのだが、これは、多くの場合、健全な方法での教会に対する挑戦なのだ、と言う。
ハロルド・アットリッジ教授は、教会指導者の間で、「教会の変容を人口や文化の側面から見た際に将来への不安が見られる」と指摘する。
ジョージア州アトランタの第一コングリゲーショナル(会衆派)教会牧師である卒業生のドワイト・アンドリュース牧師は、『敵対的な文化の中での会衆派教会の力と恩寵』の中で、教会は「21世紀の文化の腐食に挑戦する、内的留保と対抗価値を持つ恐らく最後の制度」と見ている。
礼拝の実践はなお「社会から急速に失われている共同体意識を生み出す」力を持っていることだと言う。それでも「教会生活の質」は圧力にさらされている。裕福な中産階級の多くは「予定表がびっしりの人生」と「やることがたくさん」で、凝集的な信仰共同体という布地を引っ張っている、と言う。