アメリカで「最も教会員数の増加率が高い教会 TOP100」「最も教会員数が多い教会TOP100」などのレポートを独自調査に基づき毎年発表しているキリスト教誌『アウトリーチ』。
レポートの名称から単なる拡大主義と誤解されることもある。だが、編集者の願いは、数字の背後にある神の御わざと教会の熱心さを通して、他の教会が勇気づけられ、レポートを伝道の道具として使ってほしいというものだ。
03年1月に創刊した同誌は、教会のリーダーシップをテーマに月刊誌などを発行するキリスト教出版社。教会員数の増加率ランキングは教会の自己申告に基づいてまとめたもので、伝道方法の内容と成果、教会の変化の様子と個人の証しを詳細に報告している。
同誌によると、ランクインしているほぼ全ての教会は、信仰を失ったり教会から離れていったりした人たちに接触し、神についてもっとよく知ってもらうことに注力していた。迷い出た霊魂を信徒の輪の中に招きいれ、心を繋ぐことが重要という。
例えば、31位にランクインしたセントラル・クリスチャン教会(ラスベガス)は各信徒が1人の未信者のために毎日祈るよう呼び掛けた。祈りを通して相手にアプローチする決心に導かれ、人生を変えるいのちの御言葉を聞くよう勧める機会が与えられた。
自殺しようと決意した日に信徒から声を掛けられた人や、離婚の危機から2人揃って救われた夫婦もいる。人生に希望を見出して再出発した人たちの救いが、信徒1人ひとりの祈りから奇跡的に整えられていった。
信徒同士の親密さが強まるようにと、屋外で信徒が輪になって語り合う機会を作り、スモールグループを形成するなど、各信徒のケアを怠らないきめ細かさが、信徒の定着と霊的成長として実った。
教会建物以外に小集会や家庭集会の拠点を複数持っていたり、教会外で町内清掃や慈善活動を行ったりと、教会建物の外で活動することも信徒数が増え続ける教会の特徴だ。地域住民が教会の存在を知るきっかけになる。また、信徒が知人を集いや活動に招待して交流を深め、礼拝に誘うというような流れが生まれる。
発想から計画、計画から祈り、祈りから実行へ。いくつもの苦難を克服しながら神と共に歩む教会の姿は、数多くの読者に力を与えている。