【CJC=東京】イエス・キリストが洗礼者ヨハネから洗礼を受けたと伝えられるヨルダン川、汚水や農業排水などが流れ込み、汚染が急速に進み、イエスにならって洗礼を受けたいと希望する人の期待に応えられなくなっている、と環境監視団体『フレンズ・オブ・アース』の専門家ギドン・ブロンバーグ氏が警告を発した。
汚染の遠因は、ヨルダン川の上流で灌漑計画が進められ、イスラエル、シリア、ヨルダンなどへ分水されてしまい、本流の水量が激減したこと。原水の2%しか流れていないという。
『フレンズ・オブ・アース』は、ヨルダン川下流では、水質浄化が進み、安全が確認されるまでは、洗礼を禁止すべきだ、と現地関係者に呼び掛けている。
イエスが洗礼を受けた場所とされるカサル・アルヤフードには、毎年200万人以上が訪れる。観光面に配慮してか、水質に関して、イスラエルの自然公園局は「まったく問題はない。誰も来てたくさん洗礼を受けてほしい」と、反対の姿勢。