【CJC=東京】YMCA世界同盟は、世界各地のYMCAの代表1000人以上が参加して、7月19日から24日まで、香港文化センターを会場に世界大会を開催した。
大会では、新たにマカオ、東エルサレム、ベラルーシ、ロシアの各YMCAの正式加盟が発表された。
世界同盟新会長に就任したケネス・コロトン氏は、米国の銀行家、1970年代以降、YMCA運動に関わっており、19日から24日まで香港で開催された同盟理事会で会長に選出された。2007年から10年まで米YMCAの理事長を務めた。
中東問題では、世界同盟がパレスチナ寄りの姿勢を示すことに反発した米YMCAは、これまで世界同盟との距離を置いていると見られていただけに、コロトン氏の会長就任は、世界YMCAの動きが新段階に入ったことを示すもの。パレスチナ自治区にある東エルサレムYMCAの加盟にも、米YMCAの理解と支持があったとの情報もある。
YMCAは、宗教、人種、性別、文化を問わず、若者とそのコミュニティに、社会的正義と平和をもたらすために働く世界的なエキュメニカル運動と自らを説明している。
YMCA運動の中で変革を捉えるために、若いエネルギーとリーダーシップが必要だ、とヨハン・ビルヘルム・エルツビック新総主事は語っている。同氏はさらにボランテアの影響が強くなってほしいとして、「YMCAは、女性のリーダーシップへ道を開くことも加速しなければならない」と言う。
任期満了で退任するバート(バーソロミュー)・シャハ総主事が提出した報告は、「YMCAのほとんどは、若い人たちの役割を、基本的にはボランティア・リーダーや参加者、と今なお捉えている。重要なレベルでの関与は極めてまれだ。戦略的な対応が必要だ」と指摘している。
コロトン新会長も24日の閉会式で、YMCA運動が、助けを必要としている人たちへのサービスを提供することにさらに力を入れ、若い人たちがグローバルな活動のリーダーシップを発揮することを助けるために「緊急に活動」しなければならない、と語り、「史上初めて、世界の人口が都市、特に安全、衛生、保健医療が基本的に不足している最貧国の都市に集中している」と語った。「開発途上国の都市YMCAは、このような事態に対応する100年以上の経験があり、YMCAの努力を最適化するために他のNGO(非政府組織)との協働をより密接にしなければならない」と言う。
さらに飢餓、栄養失調、HIV/エイズ、高齢化などを挑戦課題として、コロトン新会長は、YMCA運動のキリスト教アイデンティティが、貧困者と抑圧されている人たちを助けるという神の働きを行うことへの基本的枠組みである、として、「ユースを変革する世界に結びつけるために緊急に活動」しなければならない、と言う。「ヤングアダルトが、世界的な問題により大きなリーダーシップを発揮する時だ」経済的、政治的影響力が、アフリカ、中南米、アジアへ向けられるようになり、YMCAが「特に商業、社会奉仕などの点で、これらの地域で効果的に指導、奉仕するスキルを若者たちに備えさせなければならない」と新会長は指摘している。