【香港=ENI・CJC】世界各地のYMCAから集まった代表1000人以上が7月19日、24日までの日程で、香港文化センターを会場に世界大会を開催した。会議では、世界のYMCAがグローバリゼーションの否定的な影響への取り組みが数多くなされている中で、「地球市民」づくりを目指している現状が明らかにされた。
新たに総主事に任命されたヨハン・ヴィレルム・エルトヴィク牧師(ノルウェー教会=ルーテル派)は、YMCAが「教会そのものではないこと、わたしたちの持っている資源と神の言葉を分かちあうことで、苦難の中にある人々と出会うために、外に出て行き最前線に立つことが出来る」ことを意識している、と語った。世界のYMCAが「ユースをわたしたちの全活動の焦点として推進すること、そして、世界中の若者のための重要な組織でありたい」と言う。
全世界の1万2000の地域YMCAから集まった代表は、飢餓、貧困、失業、人権、グローバル化の課題への取り組みについて討議する。
「すべての人を一つにしてください」(ヨハネによる福音書17・21)から採られたYMCA世界同盟のモットーを想起して、マーティン・マイスナー会長は、開会講演で、「地球市民」への努力を指摘した。「わたしたちは、それぞれの経験、さまざまな背景や文化を持ってここにいる。「地球市民」とはこれら全てを共有することを意味している。わたしたちは、アイデアを共有し、わたしたちの運動の未来を見据え、そして祝うために、ここにいる。若い男女の間に救い主イエス・キリストを伝え広げるために、わたしたちに与えられている業の一致の中の多様性の豊かさに感謝しよう」と言う。
開会式に先立ち同盟は、記者会見で、YMCA運動のキリスト教アイデンティティを強調した。バーソロミュー・シャハ前総主事は、「YMCAがエキュメニカル(教会一致)運動の一部であり、その歴史の中で、キリスト教指導者を数多く育ててきた」とメディアに語った。しかし、すべてのその開放に反するという事実を運動の根源がキリスト教であることは、宗教、人種、性別を問わず全ての人に開かれていることと決して矛盾するものではない、とシャハ氏は指摘している。
YMCAは、グローバル化の集中的なプロセスに対応するため、「ボデー(体)」「マインド(知性)」「スピリット(心)」のためのプログラムを通し、また若い人たちとその共同体のために備えることで活動を続ける、としてシャハ氏は、YMCAが、今日人類が直面しているさまざまな危機に直面する若い人たちを力づけ、YMCA運動は、若い人たちの世界的な正義への関わりを強化するよう備える、と語った。
世界同盟ユース委員会のマリア・クリスティーナ・ミランダ委員長は、世界大会の前に、若手メンバーの声を聞くためユース・フォーラムを開催したことの重要さをメディアに語った。さらに世界同盟内に若い人たちの参画とリーダーシップを維持するために組織のメカニズムを利用し続けることが重要だ、と指摘した。