「新しい朝がきた」と飛び起きて近所の公園へ。早朝のラジオ体操は幼い頃の夏の思い出だ。近年、成功している経営者は朝型が多いという話や、ビジネスマンの間で早起きがブームになっているといった話を新聞、雑誌、テレビ等でよく耳にする。
そんな中、2005年に「クールビズ」を打ち出して大成功を収めた環境省は、一年で最も夜が短い「夏至」に当たる6月21日に、新しい施策として「朝型生活」を呼び掛けるキャンペーンを始めた。人々の生活を朝型に移行させることで夜間の消費電力を抑え、CO2の削減を図る狙いだ。
クールビズは当時の閣僚らによる積極的な導入も手伝って認知度が9割を超え、軽装での勤務を許容し、職場の冷房温度を従来より高く設定する運動も広く定着。これにより、05年は約100万世帯の1カ月分のCO2排出量に相当する約46万トン、06年にはクールビズ開始前と比較して約250万世帯の1カ月分の排出量に相当する114万トンのCO2削減が実現したとされる。
今回新たに打ち出した朝型生活による効果として同省は、1日1時間、夜の電気使用を減らした場合、1世帯当たり照明によるCO2排出量が年間約85キログラム、テレビによる排出量が年間約165キログラム削減できると試算。1世帯当たりで年間約3%のCO2削減につながるとしている。朝型生活に秘められた意外な付随効果と言ったところだろうか。
早寝早起きの朝型生活では、暗くなれば寝て、明るくなれば起きるという人間本来の生活リズムが整い、健康的に過ごすことができる。集中力が高まり、仕事や学習の効率も良くなるとも言われている。通勤ラッシュに悩まされず、環境に優しいというおまけも付く。
また、信仰生活においては、早天祈祷で一日の始まりを神様とともに過ごすのも私たちの霊にとって非常に有意義なことだ。大きなリバイバルも小さな祈りから始まるということは、これまでの歴史が証明してくれている。
早天祈祷を推奨している団体としては、日本民族総福音化運動協議会(奥山実総裁)がある。日本で早天祈祷を毎朝行っている教会は全体の1割に満たないとみられるが、同協議会事務局長の手束正昭氏(日本基督教団高砂教会牧師)は「早天祈祷の運動が教会を霊的に転換していく」とし、日本には早起きを徳目として奨励する考え方が古くからあることから「(早天祈祷の全国拡大は)できないことではない」と確信をもって語っている。
同協議会では今年3月、早天祈祷を重視して大きな発展を遂げた韓国ミョンソン教会を訪問、同教会の30周年特別早天祈祷会に参加した。同教会は1980年、主任牧師のキム・サムファン氏が信徒25人とともに早天祈祷をもって開始。30年経った現在は信徒8万人を擁する大規模教会となった。現在も早天祈祷会を一日4回(4時半、5時半、6時40分、7時40分)実施しており、毎朝5000人が教会と家庭、国家と民族のために祈りを捧げているという。キム氏は早天祈祷会が「信徒の信仰と教会生活の基礎を鍛える場だ」と語っている。
夜と言えば、闇、悪、死、破壊、絶望などをイメージする。夜はサタンが支配し、人々をあらゆる罪へと誘う。対照的に朝は、光、善、生、創造、希望のイメージだ。夜から朝へと生活の軸足を変えることで、あなたが変わり、教会が変わり、世界が変わる。この夏、朝型生活を始めてみてはどうだろうか。