【CJC=東京】プロテスタントの2大世界組織「世界改革教会連盟」(WARC)と「改革派エキュメニカル協議会」(REC)が、新組織『改革派教会世界共同体』(WCRC)結成を6月18日、合意した。
聖書エフェソの信徒への手紙4・3の「平和のきずなで結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい」を主題に、米ミシガン州グランラピッズのキャルヴィン大学で開催された会議には両組織の代表400人以上が参加した。
新組織には、長老派、改革派、合同教会などの各派、世界108国、230教会、信徒8000万人が加盟することになる。
WARCのクリフトン・カークパトリック議長は、合意を「分裂し紛争の絶えない世界」にあって達成されたもの、と地元紙『グランラピッズ・プレス』に語った。
RECのリチャード・ヴァンホーテン総幹事は、「教会生活を含め、分裂と不和の時代に、二つの世界的教会組織が、高度なレベルで一致することが必要だ」と会議に先立ち、ENI通信に語っている。
WARCのセトリ・ニョミ総幹事は、「共同体」(コミュニオン)という語が新組織の名称に採用されたことについて、「活動する関係の新しい形」を目指したものだ、と指摘している。
「“共同体”として、私たちは共通の洗礼、主の食卓を共に囲むことを認め、それによって、より良い証と実際的な世界変革を目指す」と言う。
両組織の代表はまず18日にそれぞれ会合を開き、その後、新組織発足に先立って合同礼拝を行った。会場には米国先住民の太鼓が鳴り響いた。礼拝実施に協力した現地の先住民牧師マイク・ピータース氏は「太鼓を持ち込んだのは、世界に一致を発信しようという目的があったから」で、霊的覚醒の始まりになれば、と願ったものだ、と言う。
会議組織者は、先住民の存在強調は、その文化を片隅に押しやり、不当に扱ってきた教会の歴史的役割を想起させるためのものだとしている。
WARC太平洋地域代表のジュディ・フィッシャー副議長は、「世界の先住民、特に北アメリカの声を聞くことは、今私たちは彼らの土地で客として招かれて会合しているのであり、それは私たちへの挑戦でもあり、私たちを激励するものでもある」と語った。
キリスト教一致を目指す連合組織『世界教会協議会』(WCC)のオラフ・フィクセ=トゥヴェイト総幹事も「改革派諸教会の一致、平和、正義への貢献を強める。神の教会の目に見える一致の新たな表現であり、神の賜物であると共に希望のしるしでもある」と歓迎している。
WARCの起源は1875年に設立された改革派諸教会の連合と、1891年に初会合した国際コングリゲーショナル評議会にまで遡る。人種や性的差別の撤廃、環境保護、新国際経済秩序などに取り組んでいる。
RECは1946年、WARC非加盟の改革派諸教会の組織として発足した。霊的革新と教理順守に力を入れている。ただ60年代以降、双方に加入する教会も出ている。