【CJC=東京】第二次世界大戦当時にナチスのユダヤ人迫害に協力したのでは、と当時の教皇ピオ12世に疑念が絶えない中、バチカン(ローマ教皇庁)でユダヤ教関係を担当しているウォルター・カスパー枢機卿が、当時の秘密資料を学者の研究用に6年以内に公開すると語った。
枢機卿は、ホロコースト(大虐殺)からユダヤ人を守った教皇の努力について長い間投げ掛けられた疑問を解くことに資料公開が役立つ、と指摘している。「私たちには隠すべきものはないし、真実を恐れる必要はないというのが信念だ」と言う。
ただ枢機卿の発言は目新しいものではない。すでにバチカン資料担当のセルギオ・パガン司教が、問題の資料が5年以内に公開される、とイタリア紙に語っている。資料は1600万点あり、分類と目録作成に時間が予想以上に掛かっている「技術的な」問題だけだ、とか。