【CJC=東京】教皇ベネディクト16世は、バチカン(ローマ教皇庁)のサンピエトロ広場で5月26日、水曜恒例の一般接見を行った。
「カテケーシス」(教会の教えの解説)で、教皇は間もなく終了する「司祭年」を念頭に、司祭職についての考察を行った。特にこの日は、司祭の3つの職務「教える務め」「聖化する務め」「統治の務め」の中から、「統治」をテーマに、自分の権威ではなくキリストの権威のもとに、託された人々を治め導く司祭の使命を強調した。
バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇は、キリストの命によって人々を司牧するという「権威」を今日の文化の中でどのように理解すべきかを問いながら、特に東西ヨーロッパの独裁政治によって、現代人が権力・権威という概念を用心深く扱うようになったことを指摘した。
教皇は、恐怖と死をもたらしたあらゆる体制が神を除外し、人間を苦しめたことに対し、司祭の権威は、権力そのものが目的ではなく、神によって創られた尊厳ある人間を目的に、その真の善のために奉仕し、最高善である神を映し出すものである、と述べた。教会はこの「権威=奉仕」を、自分の名ではなく、イエス・キリストの名のもとに行使するのであり、キリストは教会の牧者を通して、ご自分の民を慈しまれ、牧され続ける、という。
教皇は、兄弟たちをキリストに向けて導くことを恐れず、神の御旨に従うことならばすべての言葉と行いは実りをもたらすことを信じるようにと、司祭たちを激励した。