【CJC=東京】英国国教会が女性聖職実現への歩みを進めている。世界聖公会共同体(アングリカン・コミュニオン)の中で、聖職者は男性のみとする伝統派との「決別」に至る可能性を否定できなくなってきた。
このほど明らかになった教規改定草案は、女性は男性と同じ基準で主教に叙階すべき、としている。保守派の『アングロ=カトリック』派を失望させることは決定的で、これまで国教会内で「部制」のような二重構造を望んでいた同派の動きが注目される。すでに一部には昨年10月、英国国教会からカトリックへの転向を容易にした教皇ベネディクト16世の提案を検討する可能性も出ている。
同教会の改定委員会は、伝統派の教会に、男性司教に祝福と叙階の実行を委ねる権限などを認めるなどの提案を行った。しかし、新教区や特別主教設定などの要求には応じていない。
改定案は、この7月にヨークで開催される教会総会に提案される。順調に進んでも、英国国教会に最初の女性主教が登場するのは2014年のことと見られている。
女性の聖職叙階は、同性愛主教、同性間結婚と共に、7700万人が加わっている世界聖公会共同体内の深刻な対立課題になっている。現在、女性主教は米国、カナダ、ニュージーランドでは実現している。