【CJC=東京】聖書に登場する「ノアの方舟(はこぶね)」を探す中国とトルコの探検家チームが4月26日、方舟が漂着したといわれるトルコ東部のアララト山(標高5137メートル)で、方舟の木片を発見した、と発表した。
聖書「創世記」には、堕落した人類を大洪水で滅ぼそうとした神が、ノアに方舟を作ってあらゆる動物をつがいで乗せるように命じたという記述がある。洪水が引いた時、方舟が漂着した陸地がアララト山の山頂とされている。
福音派の考古学者ら15人からなる探検チーム「ノアズ・アーク・ミニストリーズ・インターナショナル」によると、木片はアララト山の標高およそ4000メートル地点で発見した構造物から採取したもの。炭素同位元素による年代測定を行ったところ、「ノアの方舟」がさまよったとされる今から4800年前と同時期のものであることが確認されたという。
探検に参加している香港のドキュメンタリー映像作家、楊永祥氏は、「100%とは言い切れないが、99・9%は確信している」とAFP通信に語った。
発掘作業が完了するまで現場を保存するためユネスコに世界遺産指定を申請するよう、地元自治体がトルコ政府に要請するという。
炭素同位元素による調べで木片が4800年前のものだとしても、それが「ノアの方舟」のものであると決定出来ないし、「ノアの方舟」だという構造体そのものが、それだけ旧いものだ、とも決め付けられない。
「ノアの方舟」捜しは、聖書の記述をその通り事実とする福音派系の学者によって、これまでも行われ、その成果が報道されることもあるが、いずれも決定的なものと、学者間で一致した見解を得られるまでには至っていない。今回の報道についても、実際に見るまでは何とも言えないとの反応が多い。発見場所を明らかにしていないことも、問題視されている。