【CJC=東京】全世界で最も知られたロック・バンド『ビートルズ』を、バチカン機関紙『ロッセルバトレ・ロマノ』が「美しい」音楽、と称賛した。
薬物使用や豪勢な生活ぶりには目をつぶった形。ジョン・レノンが1966年に、ビートルズは「キリストより人気がある」と言い、キリスト教は死に掛かっていると示唆してカトリック教会を怒らせてから40年以上が経過した。
同紙は1面トップに、「ビートルズのメンバーは麻薬に手を出し、自分たちはキリストより偉大だと言い、悪魔的ともいえる不可解なメッセージを生み出しもした。決して、若者の最高のお手本ではなかった」としながらも、「しかし、彼らの美しいメロディは音楽に大きな影響を与え、今も人々を楽しませている」と指摘した。「ビートルズがなかったら、ポップ・ミュージックの歴史も変わっていただろう」と前向きの評価。
今なぜビートルズなのか、アイルランド教会聖職者による性的虐待スキャンダル以来、バチカン(ローマ教皇庁)の対応に批判が強まる中でのビートルズ称賛には、「虐待問題より先にビートルズが出てくるのはおかしい」と、不審の声も上がっている。
同紙は2008年にも、ジョン・レノンの発言について、「英国の労働者階級出身の若者がエルヴィス・プレスリーの時代に成長し、予想外の成功を手にしただけ」と、事実上容認する記事を掲載している。
一方、ドラムスのリンゴ・スターは「バチカンは悪魔的だと言ったじゃないか。それでも許すと言うのかい。バチカンはビートルズよりおしゃべりだと思うよ」とそっけない。