5月に米ニューヨークで開かれる核拡散防止条約(NPT)再検討会議に合わせて渡米するカトリック長崎大司教区大司教の高見三明氏は13日、国連事務総長の潘基文氏と5月3日に会談することを明らかにした。共同通信が伝えた。
高見氏は長崎原爆を受けた浦上天主堂の「被爆マリア像」を携えて今月20日から、世界平和に向けた巡礼が行われるスペインを訪問した後、その足で30日にニューヨーク入り。5月7日の帰国まで現地教会でのミサや平和運動団体の会合に参加し、初渡米する被爆マリア像とともに核廃絶を訴える。
共同通信によると高見氏は、「私も胎内被爆者であり、核廃絶に向けて努力している人と声を合わせ、その声を大きくしていきたい」と抱負を語った。潘氏には、8月9日の平和祈念式典に合わせて長崎を訪問するよう要請するとの考えも明らかにした。
被爆マリア像は1929年、浦上天主堂の祭壇に飾られた木製のマリア像。原爆投下で倒壊した天主堂の瓦礫の中から、頭部だけになって見つかった。被爆の影響で目は空洞になり、顔には焦げ跡が残る。現在はこのマリア像を世界遺産に登録しようという運動も行われている。