イエス・キリストの復活を祝うキリスト教最大の祭典「イースター(復活祭)」を迎えた4日、各地の教会で記念の礼拝や洗礼式などが行われた。
11日の「第48回首都圏イースターのつどい」(同実行委員会主催)の会場となる東京都新宿区のウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会では、早朝6時半から早天特別礼拝が行われ、教会聖歌隊と出席者全員でハレルヤ・コーラスを合唱。午前10時半の特別讃美礼拝では、竹内そのかさん(ソプラノ)、兎束康雄さん(テノール)をゲストに迎え、教会の聖歌隊とアンサンブルがヘンデルのオラトリオ「メサイア」を演奏した。午後には洗礼式のほか、野外での音楽集会も行われた。
午前の礼拝で同教会の峯野龍弘主管牧師は、復活の信仰について「キリスト教信仰の核心」と述べ、「主イエスは神の子としてこの世にこられ、よみがえられた」「(復活の主を信じる者には)いかなる悲しみや苦しみが来ようと、それを克服することのできる復活の力が宿る」と説いた。さらに、「復活の主を仰ぎ見る者は恐れることがない」「死は私たちに対して無力となり、すべての労苦は無駄にならないことを知って、すべてのことを受け止めることができる」と強調した。
バチカン(ローマ教皇庁)では同日、教皇ベネディクト16世がサンピエトロ大聖堂のバルコニーから、イースターを記念する祝福のメッセージを宣言した。
教皇は、キリストの復活について「歴史の向かう方向を完全に善といのちとゆるしによって転換させた」と述べ、復活によって、人類に絶えることのない喜びと希望が与えられたことを説いた。世界にいまだ多くの悲しみと不安があるとしても、キリストの復活によって歴史の変化がすでに成し遂げられたことを強調し、「歴史は未来に開かれています。ですから、希望によって救われた私たちは、旅路を歩み続けようではありませんか」と語った。
イースターは太陰暦に従って決められるため、太陽暦では毎年日付が異なる。今年と来年は同日だが、グレゴリオ暦を用いる西方教会とユリウス暦を用いる東方教会では日付の異なる年が多い。来年(2011年)は、西方教会、東方教会ともに4月24日がイースターとなる。