【CJC=東京】中国のキリスト者の人権擁護のために活動し、2008年にはノーベル平和賞の受賞候補者にもなった高智晟弁護士が、3月28日、外国通信社などに電話で、半年前に釈放され、山西省の仏教聖地、五台山で「自由に」暮らしている、と伝えた。中国山西省の親類宅で09年2月4日、公安当局者に連行される所を見られてから1年以上も所在不明だった。
高氏は法輪功やキリスト者の人権擁護に取り組み、06年末に国家政権転覆扇動罪で執行猶予付き有罪とされたが、活動を続け、拘束された可能性が指摘されていた。
「しばらくは静かに暮らしたい」と言う高氏、米国に本拠を置くキリスト教抑圧監視団体『対華援助協会』(CAA)が同氏の一家を保護しているが、家族と一緒になりたいかと問われ、「それはやさしいことではない」と語った。警察の監視下にあるようで、それ以上の発言を避けた。
高氏の所在を巡っては、高氏の弟が1月14日、警察が高氏は09年9月25日に所在が分からなくなった、と伝えてきたことを明らかにしたが、欧米諸国を中心に関心が高まっており、3月中旬に訪中したデービッド・ミリバンド英外相も16日の外相会談で提起したという。
高氏は解散させられた集団『法輪功』のためにも弁護活動を行い、また改憲運動にも参加するなどで国際的にも注目される存在。