【CJC=東京】教皇ベネディクト16世は、3月14日午後、ローマ市内の福音ルーテル教会を訪問した。バチカン放送(日本語電子版)が報じた。
教皇とローマのルーテル共同体との出会いは、1983年のヨハネ・パウロ2世の訪問に続き、2度目。ただ教皇は枢機卿時代の98年、同教会を訪れている。
同教会のジェンス・マーティン・クルーズ牧師によると、ローマにおけるルーテル共同体は約350人。活動は貧しい人々への奉仕をはじめ活発である。また、エキュメニズム運動にも力を入れており、例えば聖週間には、付近にあるすべてのカトリック教会と共同で十字架の道行きなどを行っている。
今回の訪問は、ルーテル教会からの招きにベネディクト16世が応えたもの。教皇は同共同体の温かい歓迎に心からの感謝を表されると共に、原稿を用いずドイツ語で挨拶を述べた。
教皇は、人類のために自らを捧げられたキリストが示された道、愛という唯一の歩みを分裂させたのは私たち人間であると述べ、イエスの示した道に従うことのできない人間の至らなさが、キリスト者間の完全な一致を妨げてきたと指摘した。そしてキリスト者であるということは「一つの私たち、一つの共同体」であることだが、分裂してしまったキリスト教共同体を再び一致させるために始まったエキュメニズム運動が多くの実りをもたらすようになったことを歓迎した。