アフリカ西部のナイジェリアでイスラム教徒がキリスト教徒の村を襲撃した事件について、ローマ教皇ベネディクト16世は10日、「残忍な暴力が虐殺を引き起こした」と強く非難した。AFP通信が伝えた。
ナイジェリア中部プラトー州の州都ジョスでは7日未明、イスラム教徒がキリスト教徒の村を襲撃し、1日で死者500人超を出すという衝突が発生。教皇は毎週恒例の一般謁見で犠牲者に哀悼の意を示し、市民及び宗教指導者に対し、「安全で平和な共存」に向けて取り組むよう呼び掛けた。
同国は北部にイスラム教徒、南部にキリスト教徒が多く、地域的に宗教が分かれている。今回衝突が発生したジョスは北部と南部の中間地に位置していることから、農地の帰属などをめぐりしばしば両教徒間の衝突が起こり、08年には300人以上が、今年1月にも400人以上が死亡している。