【CJC=東京】ヨルダン川西岸地区にあるユダヤ教とイスラム教共通の聖地2カ所を、イスラエルが自国の文化財として修復計画の対象にすると発表したことを受け、パレスチナ自治政府高官は2月24日、和平交渉の再開を非常に困難にする動きだ、と述べた。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフが、ベツレヘムにある『ラケルの墓』とヘブロンの族長たちの墓『マクペラ洞窟』を文化遺産修復計画に加える意向を示した。
これに対しパレスチナ解放機構(PLO)幹部のヤセル・アベド・ラボ氏は「イスラエルの極右政権が、環境の悪化を狙っている意図的な行為の一環だ」と述べ、たとえ間接的な和平交渉であっても再開を「不可能とは言わないが、非常に難しくするだろう」と語った。AFP通信が報じた。
アブラハムが葬られたと信じられているマクペラ洞窟は、数十年前からイスラエルとパレスチナの衝突の舞台となってきた。
AFP通信によると、ヘブロンには16万人を超えるパレスチナ人が暮らす一方、ユダヤ人入植者数百人が軍の保護の下、マクペラ洞窟付近に住んでおり、洞窟の上に建つモスクの一部をシナゴーグとして使用している。