【CJC=東京】南米チリを2月27日襲ったマグニチュード(M)8・8の大地震で、同国のバチェレ大統領は28日、死者が708人に達したと述べた。チリ政府は、地震で影響を受けた人は200万人に上るとしているが、死者や倒壊家屋など被害の全容把握にはさらに時間がかかる可能性がある。地震発生後24時間で、M5以上の余震が90回以上発生している。
ハイチに次ぐ大地震被害に、救援団体も対応に追われている。赤十字国際委員会のような大組織は、今でも多数の現場で救援活動を行っており、対応を進めている。ハイチでも活躍している『国境なき医師団』(MSF)は、既に緊急チームをチリに派遣した。
世界教会協議会(WCC)系の援助組織連合『ACT』(教会一致行動)は加盟団体の『教会世界奉仕』(CWS)が緊急援助と復興作業に取り組んでいる。CWSはこれまでもチリで緊急準備訓練などを行って来た。現地組織『フンダシオン・デ・アユダ・ソシアル・デス・ラス・イグレシア・クリスチアナス』やチリ・メソジスト教会と協力して、食料、飲用水、シェルターなどを提供している。
カトリック教会系の救援組織『国際カリタス』は、調査・救援チームをハイチからチリへ派遣した。バチカンにある本部は、現地の『カリタス・チリ』との接触を試みているが、電話網が破壊されて、連絡がつかない。
人道援助担当のアリステア・ダットン氏は、ハイチのポルトープランスからメキシコのカンクンに向かい、メキシコの調査・救援チームと共にリマで『カリタス・ペルー』のスタッフと合流、陸路チリに向かうことにした。