紀元前10世紀にソロモン王が作ったとみられる古代エルサレムの壁の一部が東エルサレムで発見された。発掘したイスラエルのエルサレム・ヘブライ大学が22日発表し、AFP通信が伝えた。今回の発見は、ソロモン王がエルサレムで最初の神殿を建てたという聖書の記述を裏付けるものとなる可能性があるという。
発見された壁は高さ約6メートル、長さ約70メートルのもの。また、壁と同時に作られた、王の区画を警備する守衛の詰所や谷を見下ろす見張り塔、陶片や高さ1メートル超のつぼの破片も見つかり、つぼの取っ手には「王のために」との文字があったという。
ソロモン王が建てた神殿は紀元前586年にバビロンのネブカドネザル王によって破壊されたが、バビロン捕囚から解放後の紀元前515年にゼルバベルの指揮により再建。紀元前20年にはヘロデ大王による大改築が行われ、紀元70年にローマ帝国軍により破壊された。現在「嘆きの壁」と呼ばれるのはヘロデ大王による神殿を取り巻いていた城壁の西側部分とされる。