【CJC=東京】米インジアナ州のゴシェン・カレッジが、学校の歴史の中では初めて、国歌「星条旗よ永遠なれ」の演奏を認めることにした。
学生が1000人規模の大学で国歌演奏禁止を転換する決定は、メノナイト以外の学生や訪問者に歓迎されているという感じを持たせる目的があるが、一方で国歌は教会の平和主義というメッセージを損ない、国への愛を神への愛より上に置くものだと感じさせる混乱も生じている。
ジム・ブレネマン学長がこの1月に姿勢転換を発表以来、反対の声が巻き起こり、ネット上のフェイスブック・グループ「ゴシェン大学国歌演奏反対」には約900人が参加、電子請願にも数役人が署名、理事会にも抗議が寄せられている。大学新聞も転換反対の投書が圧倒的。
同大学の歴史学教授ジョン・ロース氏は、歌詞が国を守るために戦争や軍隊を用いるとしているため、メノナイトは歴史的に国歌を回避して来た、として「国歌と国家の軍事的アイデンティティの間のつながりは非常に明確だ」と言う。ただ米メノナイト派では最大の『メノナイト教会USA』は国歌を具体的に禁止してはいない。
AP通信によると、同大学関係者は、2008年9月に競技部門が学校の立場再考をブレネマン学長に求めたことから議論が始まった、と言う。ブレネマン学長は、スポーツ大会での国歌演奏はアメリカ文化の一部となっているのに、国歌を避けるということでチームは批判の矢面に立たされることが多いのだ、と語っている。