【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)のキリスト教一致評議会議長のワルター・キャスパー枢機卿は、英国国教会、ルター派、メソジスト、改革派などとの40年に及ぶ対話から生み出せる「果実」の一つとして、『エキュメニカル・カテキズム』を作れないかという構想を明らかにした。
2月8日から3日間行われたエキュメニズムに関するシンポジウムの開会に当たり語ったもの。「わたしたちは、共通の信条と最初の公会議で示された教義で明らかにされたイエス・キリストと三位一体を共通の基盤である、と確信して来た」と言う。
枢機卿は、「エキュメニカル・カテキズムは討議しながら仕上げることになろうが、どのような構成になるか、など何かアイデアがあるわけではない」と語った。確かなことは、キリストへの帰依と諸信条への信仰の「共通の基盤を明確にし、強め、深める基礎的なエキュメニズム」が必要だ、と言う。
各教会が支持を明らかにしても、その教会員がキリスト教信仰の基盤に固く立たなければ、対話は前進出来ない、と枢機卿は述べた。
枢機卿はさらにエキュメニカルな対話が、専門家の問題になり、草の根から離れてしまっている、と指摘、神学的対話を支持し、新たなエネルギーを与える「人間中心のエキュメニズム」を呼び掛けている。
今回のシンポジウムは、40年にわたる聖公会共同体、ルーテル世界連盟、世界メソジスト評議会、世界改革教会連盟などとカトリック教会との公式対話の結果を同枢機卿らがまとめ、昨年10月に刊行した『果物の収穫』に続くものとして開催された。