【CJC=東京】イタリアのカトリック誌『30ジオルニ』が香港のジョセフ陳日君枢機卿を、教皇ベネディクト16世の2007年に中国本土のカトリック者に宛てた手紙の「通訳」であり「保証人」と自らを規定したとして非難した。
また同誌は、保定の地下教会フランシス・アン・シュシン協働司教を強く擁護した。同司教は、公認教会とその並立組織『天主教愛国会』にも加入している。中国本土のカトリック者に宛てた教皇書簡は「燃え上がっている司牧上の問題」に関するものであることは明らかで、アン司教の決断に対する批判は、教皇書簡の幾つかの側面に対する「広範な抵抗」の象徴だと同誌は主張する。
これに対し陳氏は、教皇書簡の通訳者としての役割への批判は「不公正」であり「根拠がない」と反論している。特に教皇書簡は明確さを欠いていると陳氏が語った、と同誌が指摘していることに「私はそんなことを決して言っていない」と強く反論した。
陳氏が、『30ジオルニ』誌を不公正だとするのは、地下教会と公認教会との間の和解について教皇が述べたことに陳氏が反対した、と非難した点。「私は和解を完全に支持する。しかし中国政府の施策が変わったわけではないので、教皇が敷いた原則に従うことなしに急いで組織を統一することを懸念するのだ。私は個人的にはアン司教に深い敬意を持っている。彼はその信仰のために大きな苦難を背負ってきた」と陳氏は言う。
ただ「彼に敬意を持つからと言っても、彼の判断を全部受け入れなければならないという意味ではない。それは問題が別だ」とアン司教の愛国会加入について語っている。