[著者]メソジストの一伝道者
(瀬尾、小出、土屋訳)
[出版]福音文書刊行会
[大きさ・頁数]B6・270ページ
[価格]1,000円
[評者]岸田 馨
元シオンキリスト教団蒲田教会主管牧師・現同教会協力牧師・茅ヶ崎シオンキリスト教会牧師・学校法人賜恩学園理事長
戦う使徒ウェスレーの原名は”john Wesley, the Methodist: A Plan Account of His Life and Work”となっており、1903年に、「メソジストの一伝道者」というかたちで著者名を秘めて発行されたものです。
しかし、その内容は、ウェスレーとその生涯へのより深い観察を土台としています。伝統的ウェスレー観を大切にするとともに、その新鮮な表現は、彼の人柄をしのばせ、読む者の想像力を刺激し、ウェスレーとその周囲の人々に対する関心を高めさせずにはおきません。
現代は、ウェスレーの時代がそうであったように、宗教が世俗化し、形骸化し、民衆の心がこれを離れているとも言われ、教会の弱体化が問われています。
ウェスレーは、個人的、霊的覚醒、必要を訴え続けて、英国のリバイバルの発火点の役割を果たしたのですが、この時代的背景とともに、神のみわざを生き生きと語る本書は、現代の教会形成と宣教に対する挑戦と示唆に満ちているといえましょう。