オバマ米大統領は4日、ワシントンで行われた国家朝餐祈祷会に出席し、祈りは人々を謙遜にし、それぞれの間に連帯をもたらすと語った。祈祷会にはバイデン副大統領やクリントン国務長官のほか、米国内の政界人や経済界人ら約3千人が参加した。
ワシントン・ヒルトン・ホテルで行われた祈祷会でオバマ氏は、「祈りは我々が落ち込んでいるとき励ましを与え、嵐のなかでも冷静さを与える。障害を乗り越えるとき、我々の背筋を強めてくれる。そしてまた、私はここ最近特に多くの祈りを捧げていることを皆さんに明かすが、祈りは他にも多くのことをなしてくれる」と述べ、祈りの力を語った。
「(祈りは)謙遜に我々の心に触れ、兄弟愛の精神で我々を満たすことができる。我々が互いに、畏怖をいだくべき方であり、また愛に満ちた方である神の子らであることを思い起こさせてくれる」と述べた。
毎年2月の第一木曜日に行われる同祈祷会には、大統領が毎年出席し演説を行う。1953年にアイゼンハワー第34代大統領が出席して以来、半世紀以上続く伝統となっている。
祈祷会には米国内の閣僚、議員のほか、海外からも毎年100カ国以上から招待客を招いており、日本人では、映画「親分はイエス様」の主人公のモデルとなったことで知られる鈴木啓之氏(シロアムキリスト教会牧師)が98年、日本人として初めて壇上に上がり証しをしている。08年には、大和カルバリーチャペルの大川従道牧師が参加した。
米大統領による講演のほかゲストスピーカーによる講演も毎年行われており、これまでにマザー・テレサ(94年)や、U2のボノ(06年)、ブレア英前首相(09年)などが講演している。今年はスペインのサパテロ首相が講演し、祈祷会最後には米大学フッドボール最優秀選手のティム・テボウ氏が祈りをささげた。