毎年1月に開催されている「断食祈祷聖会」(主催:全日本宣教祈祷運動・断食祈祷聖会実行委員会)が18日から20日まで、東京都新宿区の東京中央教会で開催された。日本のプロテスタント宣教150周年を記念した09年を終え、次の半世紀を祈りで歩み出そうと「変革期におけるクリスチャンの使命」をテーマに3日間、参加者らは断食をしつつ、日本の福音化のために熱い祈りをささげた。
同聖会は21世紀を前にした99年、国際的な学生宣教団体であるキャンパス・クルセード・フォー・クライスト(CCC)創設者の故ビル・ブライト氏の提唱によって始まった。当時は日本各地で断食の祈祷集会が開催され、東京の集会ではブライト氏自らが来日してメッセージを伝えた。その後も同聖会の継続を望む声が上げられ、今年で12回目を数える聖会となっている。
聖会2日目夜に行われた一般公開集会では、竿代照夫氏(イムマヌエル綜合伝道団代表)が講演し、救われる人々が次々と起こされていった戦後まもなくのリバイバルについて触れ、「こういう時代が来ないと誰がいえるでしょうか」と述べ、日本のクリスチャンがいまこそ目を覚まし、日本の福音化という大きな主のみわざを信じて祈るよう訴えた。
竿代氏はメッセージの冒頭で、昨年の第5回日本伝道会議から始まったいくつかの宣教協力プロジェクトについて、次回2016年の第6回会議に向けた具体的な取り組みが早くも実施されていることを報告。各地域における教会間の協力促進や、格差の激しい地方小都市教会と大都市教会との協力関係を結ぶ具体的な取り組みが動き出していることを説明した。
特に、海外で暮らす日本人に福音を伝えるディアスポラ伝道の働きについて、日本国内より海外で救われる日本人の割合が統計的に非常に高いことを強調し、「すばらしい可能性だと思っている」と高く評価した。また、ディアスポラ伝道に取り組むことによって日本の諸教会が、異文化をより受け入れやすくなる「幅の広いキリスト教」になるとし、「日本の教会がともに取り組んでいく価値のある働き」と語った。
竿代氏は詩篇90編13節から17節にあるモーセの祈りから、「あなたのみわざを・・・見せてください」(16節)と「私たちの手のわざを確かなものにしてください」(17節)の2つを特に強調し、「主(あなた)のみわざとは何か。日本の福音化、リバイバルということです」と訴えた。さらに、「私たちの手のわざ」とは、クリスチャンであるお互いが日々に励む小さな祈りや伝道の働きであり、これを「確かなもの」とし、「しっかりと積み上げていくことが大事」と語った。
最後に竿代氏は、主からは大いなるみわざを期待し、またお互いのなす小さなわざをしっかりと積み上げることで、「(主の大いなるみわざとお互いの小さな手のわざを)主が合体させて、大いなる栄光をあらわしてくださる」と述べた。
聖会では、政治、教育、経済、家庭、教会の各分野について具体的な祈祷課題を挙げ、その中に神の介入があるようにと祈りをささげた。
実行委員の姫井雅夫氏(総動員伝道代表)は、今回の聖会について「年々、集まる人の数は減少しているが、熱心に祈り続けてくださる方々がおられることを嬉しく思う。今回は特に準備を始めるのが遅かったため、十分に広報できなかったことも一因でしょう」と感想を語り、「しかし、今回は祈祷課題がとても具体的で良かったとの評価をいただいたので、ご希望の方々にはそれを差し上げ、この1年私たちと共に祈っていただけると幸いです」と今年1年へ向けた意気込みを語った。