非イスラム教徒の「アラー」使用を認める判決が出たため、過激派によるキリスト教会への襲撃事件が発生していたマレーシアで、当局は20日までに8人を襲撃事件の容疑者として逮捕した。
連邦犯罪捜査局長のバクリ・ジニン氏は20日、クアラルンプール郊外のメトロ・タバナクル教会(アッセンブリーズ・オブ・ゴッド)に火炎瓶を投げ入れ放火した容疑で8人を逮捕したと発表した。
マレーシアでは昨年末、クアラルンプール高裁が同国で禁止されている非イスラム教徒による「アラー」使用を認める判決を下してから、放火や投石など教会を襲撃する暴力事件が11件発生していた。ペトロ・タバナクル教会はその中でも最も初めに襲撃された教会。
逮捕された8人は現在、他の教会襲撃への関与も含めて取調べが行われている。
ジニン捜査局長は住民に対し、平静を保ち、人種的、宗教的調和を脅かすことのないよう求めた。
メトロ・タバナクル教会の関係者は「事態は沈静化したと思う」と述べ、「事件はすでに過去のこととしている」「(事件により)もう注目を集める必要はなく、誰かを責めるよりは、生活を立て直し、教会の移転のために進みたい」と語った。